2009年4月15日水曜日

正露丸

子供の頃からよくお腹をこわす。だから旅行に正露丸は必携アイテム。インドやメキシコなど誰もが下痢するところに行く時には大量に買い込んだものだ。
フランコがまだ君臨していたスペイン・マドリット。街角毎に小銃を抱えた兵隊が立つていた。カフェでたまたま会った学生たちと雑談していたとき、スペイン人にフランコをどう思うのかと不用意に尋ねると血相を変えて口を塞がれた。あたりの様子を窺いながら、学生がその名を口にするな!ゲシュタポに捕まるぞと真剣な顔で声をひそめた。独裁下とはこうゆうことかと得心した。
安宿にもどって毎夜の酒盛りの間に日本の学生にその話をすると大きく頷いてこんな噂をはなした。マルセイユから国境に向かった二人の日本人が荷物検査で正露丸を見つけられて拘束された。どうも麻薬と疑われたらしい。大使館に連絡して釈放されるまで3日もかかったそうだ。その夜、まさかと思いながらも正露丸を捨てるべきか持っていくか迷っていた。そして同じ軍事独裁のポルトガルへ行くことを断念した。これが後年、ポルトガルの無血革命に立ち会うことになった伏線だ。

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