2009年5月1日金曜日

リラ亭

学生時代から通ったバー リラ亭のマスターが引退して何年になるだろう。三条河原町
下ル東入ル。席数7・8の小さな店。酒はオーシャン。とにかく安かった。混んでくる
と座席の後ろだけでなくトイレの中まで客に埋まった。ほとんど貧乏学生。デモ帰りに
ポケットの金を気にしながら飲んだものだ。極稀に懐があったかい時にだけ注文できた
サケ缶は夢見るような贅沢。腹を空かせて食べるうまさは至福だった。
思い出すのはカウンターの隅にうず高く積まれた裸のままのシングルレコードの山。リ
クエストするとマスターは山々の中から瞬時に選び出してくれたものだ。密かに人間ジ
ュークボックスと名づけていた。
学園闘争の季節が過ぎ去った頃、加藤登紀子の”時代遅れの酒場”が流行った。リラ亭
がモデルだ。思い出の店が増えるたびに酒飲みは年齢を重ねるのだろうか

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