2009年5月7日木曜日

伊丹

小さんの長者番付を聴いていると伊丹が出てくる。有名な清酒発祥の裏話。
落語では使い込みをしてくびになった番頭が逆恨みして火鉢を醸造樽に投
げ込んだことになっている。小学校の教科書では、番頭に叱られた丁稚の
仕業だったのだが。どちらにしろ鴻池が清酒で財を成し、江戸期に三井と
並ぶ財閥に成長したことは江戸にも知られた話だったのだ。
伊丹に移って10年。行基の貯水池事業や信長の逆鱗に触れて滅ぼされた
有岡城など、伊丹は古くから開け歴史にしばしば登場するのだが現在は町
としての魅力に欠けているように思える。
行政もそれなりの手は打っているのだ。歴史的景観を守ろうとしたり、箱
物建築に予算をつけ資料館やホールを作ってきた。花火大会は定着してき
て年々観客も増えている。大型商業施設も成功しているようだ。
だが阪急駅近くの商店街は年々衰退の一途だ。美味しい鳥肉屋や漬物屋
が店を閉め、残っているのはスーパーばかり。全国の至る所にあるシャ
ッター通の完成だ。震災後にできた阪急駅ビルからもテナントがどんど
ん逃げだしてしまった。
原因はなんだろう。東西線完成以来ダイヤ改正が進み、大阪に通勤・通
学する人の多くがJRに移ってしまった。ではJR周辺に店を出せばいい。
だが周辺にスペースがない。大型スーパーやマンション、コンビニに大
半が占められた清潔な空間がそこにあるだけ。市のグランドデザインの
失敗だ。
街にはある種猥雑な異空間が必要だ。路地や横丁の赤提灯に憩いを求め
るのが人の心というものだ。行政的な発想では街の魅力は生み出せない
のだろう。

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