2009年5月23日土曜日

ま・く・ら続き

”口上”はまくらではなく、弟子燕路の真打披露の口上。弟子を育てる難
しさだけでなく、教えることによって自身が成長していく小三治の人とな
りに感動した。いい奴だなと思う。その点、おれは駄目だな。
ワイン会をはじめて15年になるが教える能力がないのだろう。確かに
参加者の舌は肥えた。美味い・不味い。よし・あしの区別はそれぞれ持っ
てきた。だけど自分の中に、それぞれの”ものさし”はできただろうか?
最初のころ、各自に飲んだワインを採点してもらった時期がある。5点満
点でというと、10点満点にしてくれとの声があり認めた。しばらくする
と小数点も認めろという。そんなに詳しくすることもあるまい。第一、初
心者にそんな区別はつくはずがなく、理由が判然としない。が一女性がし
つこく主張するので譲った。
結論からいえば、小数点は採点を厳密化する手段ではなく、逆に曖昧化が
目的だった。婉曲話法というのだろう。4点と貶してない、だから4、9
みたいなもの。
5点なら5の要素、10点なら10の要素をワインの中に想定して、その
有無を採点するのが当然だと考えていたおれが馬鹿だった。日本人はび・
み・よ・うが好きなのだ。
フランスワインを味わう喜びは、微妙な味差を識別することにあるのだが、
感じ取れない人に伝えるのははなはだ困難だ。

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