2009年6月15日月曜日

グラントリノ

クリント・イーストウッド制作・監督・主演のグラントリノは小品なが
ら質の高い作品だ。朝鮮戦争に従軍し、カソリックの信仰に懐疑的にな
ったコワルスキーは50年間フォードの労働者を務めあげ北中部の田舎
町に住む。妻の葬式のシーンから始まる物語は、ヤッピー的な生活をす
る二人の息子とその家族との不仲、若い司祭への嘲笑を背景におきなが
ら隣家に住むベトナム少数民族のモン族の若い姉弟との出会いが中心とな
る。
70年代のヴィンテージカー、グラントリノ。納屋に整然とディスプレイされ
た工具。シルバースター章。小銃。小道具に象徴される伝統的なアメリ
カの価値観を生きてきたコワルスキーがギャングとの対立事件から意外
な行動にでる。
見てのお楽しみだが、前作で一部から白人の戦闘シーンばかりとの批判
を受けて制作した作品だけに一筋縄にはいかない。確かにワスプがほと
んど出演しない(民主党的に)政治的に正しい映画。非暴力で一応の決
着をみる筋立て。だが逮捕で終わるかにみえる結末も太ったギャングの
表情をみれば判る。猶予は短いものだ。準備を整え、やがてタン少年は
自身で対決の場に立たなければならいだろう。
年老いたダーティハリーが冷酷な現実をみつめている。。

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