2009年7月4日土曜日

破局的噴火

死都日本 石黒アキラ著 講談社文庫
タイトルは冴えないが内容は素晴らしい。ストリーは概ね、噴火地近く
からの二人の四駆での迫真の脱出行と、東京の危機対策を取り仕切る首
相のチームの二本立てで進んでいく。想像を絶する災害規模だ。一日の
内に、破局的噴火と大火砕流によって300万人の犠牲者が生まれるのだ。
被害はそれに止まらない。<ラハール>と<火山の冬>によって次第に
沖縄と北海道を除く日本が壊滅して行く。しかも原発の運転を迅速に停
止したうえでだ。やがて<火山の冬>は北半球を覆っていく。
<K対策>として計画された対策が現実にうたれることは望めまい。物
語は前提として、新党が既成政党・行政機構の腐敗を否定し、<役人帝
国>の破壊策を具体的に打ち出し総選挙で大勝利して組閣したことにな
っている。
破局的噴火は決してありえない話ではない。物語の肝として語られる日
本の生き残り策<神の手作戦>の内容は示唆に富む。だが容易に実現で
きるとも思えない。多分に楽観的観測があるように思える。だが他に生
き残る道はあるのか?是非一読して考えてもらいたい。

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